最近、気になってることがある。


オレは、手元の資料に目線を落とす振りをしながら、上目遣いで斜め前を窺った。
(……あ、また)
たぶん、本人にとっては無意識の行動なのだろうが。
配られたレジュメのページを左手で繰るその人は、時折ペンを持ったもう片方の手でこめかみ辺りをぐりぐりと押している。
よくよく注意して見ると、普段から色白な肌が更に透き通っているようにも見えた。

―――と、こちらからの視線に気付いたのか、思い切り視線が合った。
他の誰にも分らぬくらい密やかに目元を和らげた彼に、口の動きだけで「こら」と叱られて、慌てて視線を落とす。
そうした些細な瞬間の表情はまるで普段と変わらないのだが、やはりあの眉間の皺だけがどうにも気になる。
(疲れてんだろなー……うーん)
その理由も原因も分かっているので、なんとかしてあげられないかと思案する。
(あ)
そういえば、仲間内にその手のスペシャリストがいた。
(ナイスアイディア、オレ!)
早速ミーティングが終わったら相談してみようと心に決めると、再び目の前の資料に意識を集中させた。







その三日後。

「明日叶セ〜ンパイ」
「ん?」
「今から部屋、行ってもいっスか?」
夕食後、一緒にひとっ風呂浴びてから廊下を歩きながらそう尋ねると、まだ全身からほかほかと湯気を立たせた明日叶センパイはちょっとだけ不思議そうな顔をした。
「え?あ、ああ、もちろんいいけど……お前、もうトレーニングはいいのか?」
「うん!もうバッチリ!しっかりマスターしちゃったから、もう大丈夫」
「へ、ぇ……」
小さく首を傾げながら、曖昧に頷く明日叶センパイ。

センパイとオレが恋人として付き合うようになってから、夜のこの時間帯は大概一緒に過ごすのが普通になっていた。
試験前とか、ミッション前日とか、そういう特別な時を除けば、寝る時だってほとんど一緒だ。
だけどこの三日間、オレはセンパイにくっついてたい欲求を全力で抑え込んで、せっせとあの人の部屋に通っていた。
明日叶センパイには、「特別なトレーニングメニューをこなすため」と説明して。



「ふぅん、なるほどねぇ。ま、いいですよ」
オレのたどたどしい説明を一通り聞き終わると、中川さんは意外にもあっさりと了承してくれた。
部屋を訪ねても不在で、思いつく場所全てを探しつくした後、もう一度覗いてみたラウンジでようやく寛いでいるところを見つけて、必死に、それこそ土下座だってする勢いで頼み込んだのに、なんだか拍子抜けだ。
「わんこ、尽くしてますねぇ。えらいえらい」
面倒くさそうに断られるかと思ってたのに、それどころか、ソファの上からよしよしと頭を撫でられた。
地べたに座るオレの隣に寝そべっていたムッシューが、小さく欠伸をする。
いつもだったら「オレは犬なんかじゃないっス!」と反論でもしただろうが、今はそんなことは気にならなかった。―――というより、いっそその通りだと思った。

「センパイの力になりたいんス。ちっとでも、寛いでもらえたら…って」
「アンタ、実はよく見てますよねぇ。そんな大雑把で単純そうに見えて。ねぇ?」
馬鹿にされたのか褒められたのか判断しかねている間に、同意を求められた亮兄が文庫本を閉じて、テーブルの向こうから話に加わる。
「俺も気にはなってたんだよ。ここ最近、明日叶のトゥルーアイズに頼る案件が続いてたからなぁ。あれは俺たちのと違って、乱用しすぎると直に身体に負担のかかる能力だろ?昔はそれで酷い頭痛に悩まされてたって話も聞いてたし」
「後付けなオレたちの能力と違って、明日叶のはある意味生まれもった先天性のものですからねぇ。…まぁそれを言えば、楠本のだってそうでしょうけど」
「俺ですら、ちょっと油断して徹夜続きになると目にくるもんなぁ。目がやられると、すぐに肩や首筋にくる。そこから頭痛に繋がるって公式だね。明日叶の辛さも、なんとなく分かる気がするよ」
「亮一くんのは“ちょっと”の度を超えてるんですよ。肩こりの度合いに限れば、間違いなくあの子よりアンタの方が深刻ですよ」
「はは、まぁ俺のはもう持病とでも思って上手く付き合うようにしてるからね」
「いくつのジーサンですか、アンタ」
呆れたように肩を竦めた中川センパイが、そうだ、と目を瞬かせた。
「わんこ、ちょうどいいじゃないですか。亮一くんを実験台にしなさいな」
「おいおい眞鳥」
さらりと不穏な単語のターゲットにされた亮兄が突っ込むのをスルーして、ニヤリと笑った中川さんは物凄く楽しそうだ。
「へ?なんの?」
「だーから、マッサージのですよぅ」
そのために、オレのとこに来たんでしょ?
何を今更、と額を指先で小突かれた。

そうだった。
前に、明日叶センパイから中川さんにマッサージしてもらったことがあるって聞いたことがあった。すっごく上手で、思わずその場で居眠りしちゃったって。
だから、この人ならなんとかする方法を教えてくれるんじゃないかって思ったんだ。
もちろん、直接中川さんにお願いするのが一番いいのかもしれないけど。
―――それは、オレの個人的な感情から、やだ。ごめん、明日叶センパイ。

「アンタは疲れてる明日叶をリラックスさせたい。マッサージはオレの十八番。でもって、ちょうどここにはちょっとやそっとじゃあ解せない肩こりの持ち主がいる。最高の役者揃いじゃあないですか」
「それならせめて『練習台』って言ってくれよな…」
やれやれと苦笑いしながら、それでも拒否する様子もなく、亮兄がソファの方へやってくる。
「マジっすか!?マジで、教えてくれるんスか!?」
「なんですか?オレが出し惜しみでもして、断るとでも思ったんですかぁ?可愛い後輩の、可愛いお願いを?」
後半部分にちょっとだけ鳥肌が立ったのは内緒だ。
いつも気だるげなイメージの中川さんが、どことなく活き活きとしている。
……すっごく珍しい。
妙にノリのいいこの人に、なぜだかほんの少しだけ違和感を感じたのは確かだったけど。
それでも、へそを曲げられる前にと、オレは再び素直に頭を下げた。
「教えてください!お願いしまっス!」
「はい、よろしい。ビシビシいきますよ?覚悟しなさいね」

その日から丸三日、
オレは中川さんの教えの下、亮兄を巻き込んだ特訓(といっても、亮兄自身は『逆に助かるよ』と喜んでくれたのだが)に励んだのだった。







「えーと………あ、これこれ」
「太陽?何、やってるんだ?」
「んー、ちょっと待ってね」
お風呂セットと一緒に持って来ていた小さな紙袋の中から、手の平に収まるくらいのパステルカラーの塊を取りだすと、机の上に置く。
簡易包装のラップを解いて、突起した部分にライターで火をつけた。
ふわり、となんとも爽やかな匂いが部屋に広がる。
「あ」
怪訝そうにオレの作業を見守っていた明日叶センパイが、嬉しそうな声を上げた。
「それ、アロマキャンドルか?いい香りだな。温室の中の匂いに似てる」
「お、センパイ正解♪『森林の香り』って中川さんは言ってた」
「眞鳥さんが?」
「うん。特訓の免許皆伝にって、これくれたんス」
よく事情が呑み込めないという表情のセンパイの手を引いて、すとんとベッドに座らせる。そのまま、きゅっと小さな頭を抱きこんだ。
「んっ、…太陽?」
戸惑うような声が、オレの服でくぐもって上がる。
「センパイ、最近疲れてるっしょ。頭、痛いんじゃない?」
「………」
そっと腕を外すと、おずおずと綺麗な瞳が上を向いた。
その白い部分が、わずかに充血しているように見えるのも気のせいじゃないだろう。
「……気付いてたのか?」
「うん。だって、こーこ」
人差し指で、ぐりぐりとセンパイの眉間を揉みこむ。ここもれっきとしたツボらしい。
「ここ最近、似合わねーシワ寄ってたもん。ペン先でこめかみ押してるのも見たし。首、左右に倒してるとことか」
「お前、見すぎだよ」
微かに照れたように笑いながら、明日叶センパイが認める。
「確かに、ちょっと頭痛が取れなくて。あ、でも、そんな酷いヤツじゃなくて。その、なんかドーンとした重い感じが取れないっていうか……」
「それ、ガンセイヒロウによるキンチョウガタズツウって言うんだって」
教えられた文言をそのまま口にしながら、とん、と肩を押して明日叶センパイをベッドに押し倒す。
「はい、うつ伏せになってね。…でね、それ治すには血の流れを良くするのが一番いいんだって。だから」
「だから?」
「オレがマッサージしてあげる」
「太陽が?」
驚いたような顔で振り返るセンパイに、心配無用と頷いて見せる。
「ふふん、舐めてもらっちゃあ困るっスよ?ちゃーんとプロの師匠について、しっかり勉強したんスから!」
「もしかして……眞鳥さんにか?」
話の流れから思い当る答えに、けれどどこか信じがたいといった風に、センパイが小さく目を見開いた。うん、オレも正直驚いたけどさ。
「へへ、ぴんぽーん♪」
「……あ、もしかしてお前、ここ最近の『特別なトレーニング』って」
「うん。中川さんと亮兄んトコ行ってたんだ。オレ、明日叶センパイが疲れきってんの分かってたのに、何にもしてあげられなかったからさ。それが歯痒くて。せめて、センパイの身体だけでも楽にしてあげられないかなーって」
「太陽……」
「だから、安心してリラックスしてね。あ、でも痛かったら痛いって正直に言ってほしいっス。一応、亮兄で練習はしたんだけど……あの人ガッチガチすぎて、オレが全体重かけてやって丁度だったから。力加減、だいぶ違うと思うし」
もちろん、慎重すぎるほど慎重に気をつけるつもりではいるけど。
念のためにそう前置きして、オレは明日叶センパイの綺麗な背骨のラインに手のひらをそっと置いた。
「……ん。分かった」
目に見えて身体の力を抜いたセンパイが、シーツに埋もれるように呟いた声が確かに聞こえる。
「ありがとう」って。




「どう?センパイ」
「うん、気持ち、いい」
教えられた通りに、ツボと言われる場所に親指を押しこむと、面白いくらいセンパイの筋肉がほぐれていくのが分かった。
なるほどなー…と、一人頷く。
初めて練習した時、オレがする時と中川さんがしてみせる時とでは、亮兄の反応が正反対だった。
見よう見まねで同じようにやっているつもりが、中川さん曰く「アンタのは解してるんじゃなくて、単に力任せに押してるだけ」だったらしく、流石に背中全体が凝り固まった亮兄ですら「ちょ、ちょっと痛いかなー?」とか言いながら苦笑いしてたっけ。
でも、今ならよく分かる。
刺激するべき場所が正しければ、力なんてさほど必要ないんだってこと。
僅かな力でも、正確に押さえてさえあげれば、ちゃんと身体は和らいでいく。
オレの下で、手足を投げ出した明日叶センパイが確かに寛いでいる様子を見て、なんだか嬉しくなってしまう。
「ここは?」
「……っぅ……あぁ……いい……」
―――吐息混じりの肯定が、どことなく違ったニュアンスで聞こえるのが、時々オレの理性をガンガン揺さぶるんだけど。

いやいやいや。
今はとにかく、明日叶センパイの疲労を軽減するのが使命なんだから!
そのための特訓だったんだから!!

場違いな欲求から気を逸らせようと頭を振ると、オレは努めて明るく尋ねた。
「い、痛くない?初心者は力入れすぎることがよくあるからって、中川さんにも注意されたんスよね〜。オレ、ただでさえ馬鹿力だし」
「んっ……へ、いき………」
少し上半身を捩るようにして、明日叶センパイがオレの方を向いた。
―――で、その爆弾発言で、またしてもオレの脆い自制心をうち砕こうとする。
「お前の……指、太い……から、気持ち、いい……」
リラックスしきってトロンとした目、オレの手の動きに連動して乱れる息、んでもってそのセリフ。

(………やべ)
思わず、跨っていたセンパイの身体から腰を上げた。
自然に。べ、別に特別な意味はないといった風に。
せっかくセンパイがリラックスしてくれてんのに!
バカバカバカオレ!一人だけフジュンすぎだろ!
なんか、なんか気を紛らわせないと………!
(そうだ!)

「ね、ねぇねぇセンパイ!オレ、中川さんに奥義を教えてもらったんスよ〜」
「奥義?」
「うん!必殺技、っての?なんかね、よっぽど疲れてる場合じゃないと刺激しない方がいいんだって、そのツボ。効きすぎるから」
「へぇ……眞鳥さんがそう言うなら、相当なんだろうな」
感心したようにそう言う明日叶センパイに同意して頷きながら、オレは昨日の夜のことを思い出していた。


『いいですか、わんこ。これは秘密の技ですよ?そうですねぇ…最終奥義、とでも言いましょうか』
『さ、最終奥義!?なんかかっけー…!』
『今回はアンタのその明日叶思いなところに免じて、特別に教えてあげましょう。これで免許皆伝です』
『マジっスか!?やった!あざーっス!』
『ああ、ストップ』
『へ?なんで?早く教えてくださいよ。どの辺すスか?』
『こらわんこ。「奥義」って言ったでしょうが。簡単に試しちゃダメなんですよぅ。このツボはですね、本当に疲れてる人には一発で効くんですけどね』
『……けど?』
『う〜ん…なんと言いますか……そうそう、寝ちゃうんですよ』
『寝る?』
『そうそう。気持ち良すぎて、即効で寝ちゃうんです。でもそれじゃあ困るでしょう?今、亮一くんが寝ちゃったら、この後特訓にならないですよ』
『なるほど、そっスね!』
『だからね、この技は明日叶のためだけにとっておきなさい。いいですか?前にも言った通り、マッサージに一番大事なのはリラックスすることです。血の巡りを助けるよう、お風呂に入って、部屋の照明を落として……あ、そうそう、これもついでにあげましょう。いい香りがしますよ?で、ゆっくりと時間を掛けて解してあげたら、最後にこのツボ』
『ここ?』
『そう、ここ。ここを手のひらでぐぐっと、ね?』
『ふんふん』
『そこに至るまでに、しっかりと正しくマッサージ出来ていれば、すぐに効くはずです。あとはアンタの技量次第ですねぇ』
『分かった!マジありがとうございます中川さんっ!』
『ふふふ、いやいや。どういたしまして』



あの、最終奥義を試すのは今しかない。
気持ち良すぎて寝ちゃうって、中川さんは言ってたけど。
それが最適、今の疲れきった明日叶センパイには一番良いことじゃないか。
―――あと、オレにとっても。

「太陽?」
黙ってしまったオレに、不安げなセンパイの声が掛かる。
おっと、いけない。
「あのね、センパイ。このツボ押さえるとね、気持ち良すぎて寝ちゃうかもしんないんだって。でも、それって身体ほぐれてるって証拠だから。今日はゆっくり休んでね、センパイ」
言いながら、記憶を辿ってその場所に手を当てる。
実際に亮兄では試させてもらえなかったから、恐る恐る力を込めた。
―――と。

「………っぁぅ…っん」
それまで確かに弛緩していたセンパイの身体が、びくりと強張ったのが分かった。
「え…!?ご、ごめん、センパイ、痛かった!?」
思わず手を外す。加減を間違えたのかと焦った。
「……い、いや、違う……痛く、ない」
「えっと…じゃ、気持ち良くなかった?」
ツボは、場所を外すと心地良さどころか、不快感を覚える場合もあるという。
もしかして、と心配になり、横向けに伏せた明日叶センパイの表情を覗き込もうとすると、ぷいと背けられてしまった。
「センパイ?」
「な、なんでも、ない。大丈夫、だから」
「……そう?」
ほんの少しの違和感に首を傾げながらも、奥義っていうくらいだから、押される側にしても慣れない感覚なのかな?と思い直した。
センパイの声を聞く限りは、嫌なことを我慢しているようにも思えなかったし。
恋人の厚意に異を唱えることなど決してないこの人の優しさは重々分かっているけど、それでも、本当に苦痛かどうか聞き分けることが出来るくらいには、オレだってこの人のことは知ってる。
だから、オレは気を取り直してまたそろそろと刺激を再開した。
―――んだけど。

「………っく……」
華奢な両手が、ぐっとシーツを握りしめて波を作る。
息を殺すような呻き声に、今度こそ慌ててセンパイの上からどいた。
ぐい、と少々手荒だがその身体を反転させる。
「ね、ねぇセンパイ?やっぱり痛かったんじゃ……」

最後まで言い終われなかった。
ごくん、と馬鹿みたいに大きな音が、自分の喉の奥から聞こえた。
「せ、センパイ」
「…………っ」
うるうると零れそうな涙に濡れた瞳は、こちらを向いていながらもどこか焦点があっておらず。
震える吐息を漏らす口元は、悩ましげに開いていて。
それよりもなによりも。

「………え、センパイ…あれ?マジで!?」
「見るなっ!」
がばりとまた身体を伏せてしまった明日叶センパイの熟れきった頬の赤さに、オレの中で、もともと堅固ではなかった城壁が決壊する音がした。間違いなく、した。
「な、んで……っ」
泣きそうな声で、―――けれど、オレの肌という肌全てを撫で上げるような煽情的な甘い声で、動揺したように呟く明日叶センパイの首筋に、オレは唇を寄せた。


マッサージ計画、大失敗だ。













「なぁ眞鳥」
「ん〜?なんですかぁ?」
「あの、さ。その……あくまでもその、俺の推測なんだけど」
「おやおや。亮一くんの推測なら、ほぼそれが真実なのでは?」
「いやいやそんな……って、そうじゃなくてだな」
ソファにしどけなく寝そべったまま、面白くなさそうに雑誌のページをめくる眞鳥に、亮一が言いにくそうに口を開く。
「あの、太陽に教えてやった奥義、なんだけど。あれって本当は…」
「おやぁ?亮一くんもアレ、試してほしかったんですかぁ?一応、ちゃんと止めてあげたのに。アンタも結構物好きですねぇ」
「………やっぱり」
がっくりと肩を落として溜息を吐く友人に、眞鳥は珍しく朗らかに笑った。
「いいじゃないですか。疲れに一番効くのは睡眠ですよ。亮一くんも、それは知ってるでしょうに」
「それは、……まぁ」
「良質の睡眠を得るために有用なのは、寛げる空間、心を許せる相手、巧みなマッサージ、それに適度な運動、ですよぅ」
「お前が珍しく積極的に指南なんてしてやってるから、なんか引っ掛かってはいたんだよ」
「失礼な。オレは後輩思いの先輩ですよ?これでも割と」
「……うーん……反論、もしにくいような。今回の場合」
「でしょう?見ててみなさいな、明日の明日叶。絶対スッキリした顔してますよぅ?」
あのツボ、疲れてる時に押されると一発ですから。
飄々と下世話なセリフを口にする美しい友人に、亮一は二度目の溜息を吐いた。
「ま、結果オーライってことで」
「お前が言うなよ」



かくして、一発で落ちた明日叶はさておき、志半ばで相手に“落ちられて”しまった太陽にとっての地獄の夜が、明けていったのだった。












◆あとがき◆

はっぴばーすで〜明日叶ち〜ん♪♪ in 2011!
愛しい明日叶ちんには、太陽から「肩たたき券」ならぬ「 性感 マッサージ券」
を進呈させて頂きました(笑)存分に癒されてくださいvv(※無理な話)

気付けば明日叶ちんの誕生日到来と共に、うちのサイトも1周年を迎えました。
びっくりな時の流れの速さです。
これからもこの通り、STEAL!に惜しみない愛情を注いでまいります所存ですので、
どうぞよろしくお付き合いくださいましvv


2011.2.28 up







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