亮一さんの、流れるように完璧な説明が、途中から鼓膜を素通りし始めた。
大切なミッション前の打ち合わせだというのに。
集中しなきゃいけないって、本当に、そう思っているのに。





さりげなく左手を包んだ熱が、全部台無しにする。





















「や……っめろ、って……っん……!」
「ダメ、もう我慢できないもん」
「い、った……!」
部屋に入った途端、短い否定の言葉と共に全体重を掛けて体当たりされて、背後でドアが激しく音を立てた。
駆け抜けた息の詰まる衝撃に、塞がれ抉じ開けられた唇が、一瞬閉じかける。
「ごめ……」
荒い息で謝罪の言葉を口にしながら、それでも太陽は強引に唇を奪い返した。


息もつけない激しいキス。
忙しなく身体をまさぐる両手は、いつの間にか明日叶のベルトを抜き取り、震えながら立ち上がろうとしている熱に、簡単に辿り着く。


「……っぅあ……っ、いっ、きなり、何、だ……よ…っ」
性急に握り込まれて、語尾が甲高く裏返った。
「わかんね……」
鎖骨に強めに歯を立てながら、太陽が途方に暮れたように首を振る。
「センパイの横に立って、手の甲に触れて。指絡めたら―――もう、そんだけでガマン出来なくなっちった」
苦笑いのような形に歪めたその表情を見て、明日叶はふるりと顎を震わせた。



スイッチなんて、どのタイミングにあったのか、明日叶にだって分からない。
なんで、という疑問符は、目の前の相手にというよりもむしろ、こんな突然の状況下で、既にカラカラに渇いて欲しがっている、自分に対する焦りだ。
バカみたいに確かなのは今、互いが欲しい、その衝動だけ。


「ごめん、センパイ。今、優しく出来る気がしない」
正直に吐露する太陽に、何か言葉を返す前に身体を反転させられる。
ばん!と、咄嗟に前に付いた両手が、ドアを激しく叩いた。
思った以上に負荷が掛かったのか、厚めの扉が、僅かに撓む。
(駄目…だ……っ、……誰か、廊下にいる…かも、しれないの……に……っ)
分かっているのに、背後から襲う強烈な圧迫感と挿入される熱に、明日叶の短い爪が鈍い音を立てて木の肌を削った。
縋り付くように支えに求めたその板が、太陽の動きに合わせて乱暴な音を立てる。

「……っああ……っ」
ひっ、と一番大きく息を呑んだその瞬間、腕の力が抜けたと同時に、肩をしたたかに打ち付けてしまった。一際大きな衝撃音がなって、束の間の静けさが訪れる。
肩の痛みと、強烈な下半身の痺れが相反して、そこからドロドロとした欲求が滲み出してくる。





獣が零すような飢えた呼吸を背後に聞きながら、明日叶はこれで決して終わらないことを的確に予測すると、重い腕を上げて室内を指さす。
「たいよ………たのむ、から、次は」
了解、と呟く間も惜しむように、膝から崩れ落ちようとする明日叶を抱えあげると、太陽はベッドへと足を向けた。














◆あとがき◆

ドラマCDネタ、第一弾でございますvv(何弾まで続くかは謎)
太陽編での「この間はベッドだった」「いや、1回目はドアのとこだった!」という二人の
押し問答の部分から着想。その“1回目”を書いてみました♪ちょい乱暴めモードで(笑)
チャットにて、素敵萌えネタのご提供を頂きました皆々様、ありがとうございました!
こんなんなりましたが、いかがでしょう……vv(どきどき)
個人的に、ドアとか木とか、何かに寄っかかってするHネタが大好きなので非常に萌えましたvv
CD聞く限り、太陽のエロモードスイッチは、案外身近で瞬速だということが判明。
「いつの間にそんな気になったんだ!?」と焦りながらも翻弄されちゃう明日叶ちんが美味しい。


2010.8.15 up







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